地球に欠かせないオゾン
オゾンは古来より空気とともに自然界に存在する気体。

オゾンは常温においては低濃度・無色の気体ですが、濃度が高くなると淡い青色をおび、若草の香りがします。雷雨の後、空気はとてもさわやかで淡い新鮮な若草の香りがするのはこのオゾンが原因です。オゾンはこの青臭い特有の刺激臭がある=Ozein(臭う)というギリシャ語からきたもので、紀元前からオゾンの存在は知られていました。

結核などのサナトリウム(療養所)が海岸や高原に作られるのは、自然界で発生されるオゾンを含んだ空気を胸いっぱいに吸い込むことで健康が促進されるからだと考えられています。

オゾンの酸化力、その力は塩素の数十倍。広がるオゾンの活用分野。

オゾンは酸素原子3つからなり立ちますが、結合のエネルギーが弱いため、簡単に分解してしまいます。そしてオゾンが分解されると、反応性の高い酸素原子が生まれます。これがオゾンがもたらすの酸化力の原因となっており、 有機物、無機物を酸化します。このオゾンの強力な酸化力は、細菌・雑菌・有毒物質及び悪臭に対して素早く酸化反応を起こし、有効に脱臭・除菌・漂白、そして鮮度保持等を行います。細菌・雑菌に対してはそれらの細胞膜を破壊し細胞内成分を溶出させ細菌を死亡させる(溶菌)ため、菌が死滅します。また悪臭に対しては悪臭の元自体をオゾンが分解するため芳香剤と違ってより高い脱臭効果が見込めます。

オゾンを酸化剤として使ってオゾンが残っていたとしても、時間が経てば酸素分子になりますので自然の状態に戻ります。またオゾンの原料は大気中の酸素であり、どのような場所でも随時任意の量が得られることなどの利点があり、様々な産業にオゾンは利用されています。

オゾンの特徴と用途
良いオゾンと悪いオゾン

地球をとりまく大気は複数の層から成り、地上から高度約15㎞までの層を対流圏、その上の約50㎞までの層を成層圏と呼びます。成層圏で太陽からの紫外線(波長240nm以下)が酸素に吸収されて発生するオゾン層は生物にとって有害な紫外線(波長240-315nm)を吸収する働きがあることから、私たちが生きていくために必要な「良いオゾン」です。地球全体のオゾンの約9割はこの成層圏にある「良いオゾン」です。

残り1割のオゾンは、対流圏で発生しており、成層圏のそれとは異なり、自動車の排気ガスや工場から排出されるガスなど人間の経済活動が原因で発生するガスに含まれる窒素酸化物(NO₂)など太陽光があたって、オゾンが発生しています。 このように太陽光に照射されて起こる光化学反応によって二次的に生成されるオゾンを含む酸性化物質の総称を光化学オキシダントと言い、 光化学スモッグとしても有名で、人間や植物などに悪影響を与えることから「悪いオゾン」と言われています。また、オゾンは熱を吸収しやすく大気中の気温を上げます。 「温室」のような状態を生み出すために二酸化炭素と共にオゾンも「温室効果ガス」と呼ばれているのはこのためです。

人間や植物だけでなく地球環境へも影響を及ぼすため対流圏のオゾン=悪いものというイメージが持たれていますが、これは人間の経済活動による大気中の化学成分の量の変化が産業革命後に劇的に増えているためであり、オゾンだけが自発的に増えている悪いものであるということではありません。このように、同じオゾンでも、存在する高度によりオゾンがもたらす影響や生成される過程が異なるために良いものと悪いものの二面性の印象が浸透しています。

オゾン発生方式

自然環境に存在するオゾンは、地球に到達した紫外線や雷の放電の際などに発生します。産業利用では、オゾンを発生させる方法はいくつかの方法があります。

放電方式

放電中に空気また酸素を通過させ、オゾンを生成させます。
原料が空気の場合、窒素酸化物(NOX)が発生する、放電エレメントに異物が付着して発生量の変化を生じるなどの欠点があるため、 通常はオゾン生成の前に、窒素分を分離除去して、高濃度酸素を供給する窒素酸素分離装置を採用します。

紫外線方式

石英ガラスを使用した低圧水銀放電ランプや、エネルギーの多原子分子(エキシマ)を使用した無水銀エキシマランプなどの紫外光を空気に照射することにより、周囲の空気中の酸素の一部をオゾン化させます。この方法の難点としては、紫外線の中にはオゾンを生成する波長の光線と、オゾンを分解する波長の光線があるために、オゾンの生成と分解の反応が並列して起こること、さらに分解反応で生じた酸素原子(O)がオゾンと反応してオゾンを壊すという現象が起こるために、あまり高濃度なオゾン発生は期待できないと言われています。

電気分解方式

水中の電解質を2つの電極で挟み電気分解によってオゾンを生成する方法です。最近の電解式オゾン発生法としては、固体電解質を使用する方法などが研究されています。この方法は放電方式に比べ、酸素源・除湿機・フィルター等の付帯設備が不要で、 金属ダストや窒素酸化物(NOX)を含まない高濃度のオゾンを安定して得られますが、消費電力が大きく、装置が大型化した場合の運転費用などに難があります。

解き明かされるオゾンパワー

オゾンの強力な酸化力を利用して、細菌・雑菌を死亡させることは上述しましたが、新型コロナウイルスを不活化することが、2020年世界で初めて実証されました。(藤田医科大学研究)オゾンは、新型コロナウイルスだけでなく、新型インフルエンザや従来の季節型のインフルエンザにも効果が実証されています。

研究を見る

オゾンの産業利用の歴史はまだ浅く、現在でも様々な分野で基礎・実用研究が行われています。藤田医科大学の研究のように私たちO3Peaceも日々のR&Dを通して様々な分野への実用化を目指しています。