オゾン濃度と人体への影響

自然界にかなり低い濃度のオゾンが存在するように、低濃度のオゾンの安全性は人類の歴史が証明しています。ですが、産業利用のために任意でオゾンを発生させる場合は、人体や環境への影響を十分に配慮する必要があります。それぞれの国によって安全基準は若干異なりますが、厳しい管理基準を設けています。

日本の労働環境におけるオゾンの安全基準は、日本産業衛生学会のガイドラインに定められています。低濃度のオゾンは安全である一方で、産業利用で高濃度のオゾンを発生させる場合は、人体や環境への影響を十分に配慮する必要があります。それぞれの国によって安全基準は若干異なりますが、厳しい管理基準を設けています。

濃度(ppm)

人体への影響

0.01

敏感な人が臭気を感じる

0.02

オゾン特有の臭気を感じる

0.06

日本空気清浄協会の許容濃度

0.06

光化学オキシダントの環境基準値

0.1-

鼻、のどへの刺激を感じる

0.2-0.5

視力の低下

0.4-0.5

上部気道への刺激の感知

0.6-0.8

胸痛感知、咳

1-2

疲労感・頭痛・頭重の感知、呼吸機能の変化

5-10

呼吸困難、脈拍増加

50-

生命の危険が起こる

(特定非営利活動法人 日本オゾン協会「オゾンハンドブック」等より)

日本産業衛生学会では作業環境基準としてのオゾン許容濃度を0.1ppm(0.2 mg/m3)と定めています。労働者が1日8時間、週40時間以下という条件で、オゾン濃度がこの数値以下であれば、労働者に健康上の悪い影響が見られないとされています。

オゾン濃度と時間の関係性

オゾンが人体にどのような影響を及ぼすか、濃度別に起こりうる影響は上述の通りですが、濃度とは別の指標として時間の捉え方も非常に重要です。低濃度で影響が少ないからといって、長時間吸い込んでしまって良いものではありません。

上記のグラフはオゾン濃度と時間の関係性を示したものです。短時間で脱臭や除菌を行う必要がある場合は濃度1ppmを上限にオゾン発生機を使います。ただし、オゾン発生機を運転しながら清掃作業を行う際は、室内にオゾンが残るので清掃後、換気を実施する必要があります。

日本の労働環境におけるオゾンの安全基準は、日本産業衛生学会 許容濃度等の勧告によってガイドラインが定められており、環境要因による労働者の健康障害を予防するため、日本産業衛生学会が勧告するものとなっています。

人体に有害とされる微量の放射線を含むラドン温泉。ごくわずかの量がかえって体に良い働きをするとされる現象をホルミシス効果と呼びます。オゾン使用にあたっても過ぎたるは及ばざるが如しとして、濃度や時間を適正を扱うことによって、自然界にも優しく、かつ人体にも無害な状態で、オゾンの酸化力を利用した社会問題のソリューションが実現可能となります。